本間です。
先日、いつもの様にメールで「染替え（リカラー）」のお問合せを頂きました。
添付された画像を見ると？？？
何やら大変な事になってる様です。
一体何が？？
お預かりしたのはコチラのお靴です。
イタリアのラグジュアリーブランド ≪Jil Sander（ジル・サンダー）≫です。
ブラックを改めてブラックへ黒染めのご依頼ですが・・・⁉
何やら革が剥けてます？
ご自身で市販されてるメンテナンス用品を使用して「ツヤ出し」を行った様です。
これは見るからに「樹脂系」のリキッドをベタ塗りしてしまったのではないでしょうか。
樹脂系のリキッドとは⁉
解りやすく言えばアクリルやサランラップ系の原料みたいなものです。
ガラスの様な膜が出来る事で上手に使えばその瞬間は光るんですよね。
ただ、殆どの場合は塗り過ぎて失敗してる様な印象が御座います。
塗るだけで簡単！な気がするんですが意外と綺麗に統一して塗るのが難しい💦
因みに私も挑戦した事が有るんですが1度もキレイに仕上がった事が有りません・・・。
と、革にアクリルやラップの原料を塗れば「剥がれる」「割れる」等は確実に起こります。
と言う事で、まずは「樹脂系」の塗料を落とす事から始めます。
市販のクリーナーでは歯が立たないので「アセトン」等の溶剤を使用して落します。
樹脂が溶けてベッタベタ。手が真っ黒になります。
すると⁉何と下地は「グレー系」です。
ヌメ革に黒を薄めた染料で淡く色付けして仕上げてます。
BROSENTで言う「ボーンズグレー」と同じ方法の仕上げですね。
艶出しを使用としたのではなく元々「グレー系」だった靴をご自身でブラックにリカラーを試みたのかもしれません。
ここまでスッキリ落とすまで半日以上の時間が掛ります。
ここまでくればコチラの物です！！
今回はシッカリと「染料」で黒く染色致します。
色止め、保湿、最終的な仕上げを行い完成です！
元の革も良い革を使ってるのだと思うのですがツヤツヤです。
やはり「染替え（リカラー）」は中々特殊な作業なので、気楽にご自宅でとは中々難しいと思います。
場合によっては染め替えが行えなくなってしまう場合も御座います。
やはり、特殊な「染替え（リカラー）」は専門のお店にご依頼頂くのが安心です。
染替え（リカラー）に興味が有りご自身のお靴でご検討中の皆様。
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