ブログ『これが本当のコードヴァンです』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

本日のブログはタイトルにも書いてある通り人気の素材≪コードヴァン≫のお話です。

ただし!人によってはその内容にショックを受ける可能性があります!(笑)

勇気のある方のみご覧ください!!

先日いつもの(笑)アメリカA社のコードヴァンのお靴の染替依頼が入りました。

こちらです。

 

『パーツによって色の濃さが異なるので統一して欲しい』と言うご依頼です。

ちょっと見てみましょう。

まずはトゥ~ヴァンプの部分から。

 

 

微妙に左足(写真右)の方が濃いのがお分かりになるでしょうか?

 

続いて外カウンターです。

 

 

これはほぼ同じくらいの濃さです。

って言うかバランスの方が気になります。。。(;^_^A

 

最後に内カウンターを。

 

 

これははっきり分かりますね。

右足(写真左)の方が濃くて、左足(写真右)の方が少し薄くなっています。

 

まとめると。。。

 

左足甲⇒濃い

右足甲⇒薄い

 

左足外⇒濃い

右足外⇒濃い

 

左足内⇒薄い

右足内⇒濃い

 

と言う感じになっています。

 

あらら。。。と思った方も多いと思いますが、私と本間君の感想は違います。

 

『あ!久々にまともなコードヴァンだ』

 

私たちの感想はこんな感じです。

何故でしょう?

 

まずは何故このような現象が起きたのか?を考えてみましょう?

恐らくですがこの靴2枚以上の革を利用して作られています。

昨今のコードヴァンは昔に比べ薄く、そして小さくなっています。

20年ほど前私がホーウィン社を見学に訪れた時点で社長がそう言っていたので、今はもっとだと思います。 ※この辺りの詳しい話は過去のブログ『私と世界の靴vol.1~ホーウィン(米)』をご覧ください。

なので昔は1枚の革から1足作れたのに、今は2枚以上ないと1足作れないという状況なのです。

 

で、革は天然の物なので1枚1枚染料の入り方が異なります。

完璧に同じ濃さにするのは至難の業なんですね。

その革で作れば。。。分かりますね?

当然パーツによって色が微妙に異なる靴が出来る訳です。

 

ところがコードヴァンの染替を死ぬほど(!)承っているBROSENTですが、今回のように『パーツによって色の濃さが異なるので統一して欲しい』と言うご依頼は意外と少ないです。

おかしいと思いませんか?

革が小さくなっているのに何故依頼が少ないんだ?

ではどう言った依頼が多いかと言うと。。。

 

 

上の靴のように『何か表面が剥がれて(色が落ちて)色が変になったので直して欲しい』と言う依頼が圧倒的なんです。

なので世に出回っているほとんどのコードヴァンは今回お預かりした靴のようにパーツによって色が違うということが少ないということになります。

 

話がややこしくなってきましたね~!

まとめると革が小さくなって、パーツごとに色が変わりやすくなっているのに、店頭ではそういった靴が少ない。。。と言うことです。

 

何故か!?

 

 

顔料を吹き付けて色の濃さの違いを誤魔化しているからです。

 

 

雑誌やSNSなどで満足気に『このコードヴァンの光沢感、質感がたまりません!』と言って見ている靴の表面!

 

 

その光沢感と質感、実はコードヴァンそのもののものではなく、顔料の光沢感と質感なんです!

 

 

ショックじゃないですか!?それとも恥ずかしくなっちゃいました!?

でもこれ結構仕方ないことです。

恐らく売っている販売員さんも知らないと思います。

私たちも染替などやっていなければ知らなかったかもしれません。

その位のレベルの話なんですね。

なので今回この靴が来た時に私たちが前述の感想になったと言う訳です。

 

本来コードヴァンは一般的に知られているような、ツルっとした光沢感バリバリの素材ではありません。

 


 

分かりますかね?

本来は写真のようにもう少し毛穴(の裏)が残ってザラザラした感じのものなんです。

昔はこれを瓶(昔はアビースティックなど洒落た物は無かったんです。。。)などでゴシゴシやって潰したものです。

 

農家の方々も靴や革小物のために農耕馬を使って作業する、と言う訳には参りません。

時代の変化と共に変化するのはやむを得ないことです。

昔のように厚く、頑強なコードヴァンにはもう会えないのかもしれませんね。。。(T_T)

 

あ、最後に。

BROSENTでは顔料が剥がれて色がおかしくなっても、顔料を落として染直すことが可能です。

ですが顔料を落としてしまうので、質感は変わってしまいます。

その代わりコードヴァン本来の姿に戻ります。

顔料のプラスティックみたいな質感が好きな方はおやめになった方が良いかもしれません。

念のため。

 

ではでは。。。

 

 

 

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