自分で出来る≪オイルバケッタ≫仕上げでイメージチェンジ

本間です。

 

履かなくなった『スエードの靴』を大胆にリメイク。

≪オイルバケッタ風仕上げ≫のご依頼です。

 

スエード靴を持っているけど・・・殆ど履かない。

古くなって色褪せして・・・でも捨てるのは勿体ない。

 

等々・・・そんなスエード靴をお持ちの方には

ガラっと雰囲気が変わるのでオススメかもしれません!

 

そもそも『オイルバケッタレザー』とは?

・100%植物タンニン鞣しで仕上げられるイタリア トスカーナ州の伝統的な製法で仕上げられる革です。

オイル(油分)が豊富に含まれた革は時間と共にエイジング(経年変化)が楽しめる・・・等々と!

 

革オタクな所は、さて置いて。気になる方は検索してみてください(笑)

 

今回行った作業はあくまでも「オイルバケッタ風 仕上げ」です。「風(ふう)」です。

方法は至ってシンプルです。

 

1、スエードの毛にオイル(油分)を馴染ませて潰す。

2、靴用クリーム等も使いスエードの毛を圧縮しながら潰す。

3、表面を整えるために油性ワックス等も使用しながら潰す。

 

そうです。簡単に言えば「スエードの毛を潰す」作業を行います。

 

それでは早速作業開始!お預かりしたのはこちらのお靴。

 

≪スコッチグレイン≫のチャッカブーツです。

 

 

まだ、そんなに履いてないキレイな状態ですね。

スエード好きには「勿体ない・・・」と思うほどの良い状態です。

 

ただ、あまり出番がなく履く機会が少ないとの事で今回は思い切って「オイルバケッタレザー風」にしてみようと

決断されたようです。

 

では。遠慮なく!作業スタートです。

 

①まずは≪M.モゥブレイ ミンクオイルリキッド≫を指で馴染ませ刷り込みます。

全体の毛が潰れるまでひたすら刷り込みます。

あまりオイルを入れすぎると後でべた付くので量は抑えながら行うのがポイントです。

 

固形のミンクオイルや缶入りの何ちゃらオイル等はベタ付きが強いので個人的には好きではありません。

あくまでも私なりの好みから「ミンクオイルリキッド」をおススメします。

※下処理として表面のホコリ等は事前にブラッシングなどで落としておきましょう!

 


 

さて、全体が程良くシットリする感じに毛が潰れました。

 

 

これで完成!でも良いんです。

ただ、オイルだけだとやはり「ベタ付き」が気になるのと、ツヤがなくマットな仕上がりになります。

 

仕上がりがお好みなら良いのですが、やはりもう少し手を入れたい所です。

そこで、第二段階の作業スタート。

 

②オイルを全体に刷り込んだらオイルを馴染ませる為に小一時間位で良いので放置しましょう。

その後、乳化性クリームを更に全体に塗り込みます。気持ち多めでもOKです。

 

この時使用するクリームは「ビーズワックス主体のクリーム」がおススメです。

例えば、今回使用するのは「イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム」です。

 

≪ビーズワックス≫は低温でも溶けやすく馴染ませやすいので作業はスムーズに行えますよ。

 


 

そして、両足を同じ工程で進めました。

 

 

乳化性クリーム(イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム)を満遍なく塗り込んだら。

一服タイム☕ また小一時間程、馴染ませるために放置しましょう。

 

そして1時間後、表面を触ってみて下さい。

サラッとしていたら成功!少しべた付いてたら「ミンクオイル(油分)」が少し多かったかもしれません。

※べた付いてても失敗ではないのでご安心を。

いずれオイルは抜けてくるのでその時にまた調整してあげればOKです。

 


 

それでは最終仕上げです。この作業はやらなくてもOKですが、個人的な好みで少しツヤ感が有った方が

雰囲気が良いので「M.モゥブレィ トラディショナルワックス」を薄く全体に塗って軽くブラッシングします。

 


 

これで完成☆

中々良い感じに仕上がりました!

 

 

それではお預かりした「スエード」の状態から「before⇒after」で比べてみましょう。

 


 

かなり雰囲気が変わりましたね。

けど、この独特な素材感は中々良いと思います。

 

今回は全て「ニュートラル(無色)」で仕上げましたがオイルが染み込んだ事で1~2トーン程、色が濃くなってます。

もっと濃くしたい場合は「カラークリーム」を使用しても良いですよ。

 

今後のお手入れは?

通常の「スムースレザー(表革)」のお手入れと同じでOKです。

 

如何でしょうか。≪スエード革 オイルバケッタ風仕上げ≫のご紹介でした。

一度、この加工にした場合は元のスエードに戻すことは出来ないので十分にお考えの上ご依頼ください。

 

また、「オイルバケッタ風」に仕上げる事で雨に強くなる!と思われがちですが

過去の経験上、むしろスエードの状態の方が雨に強いかもしれません。

 

あくまでも風合いを楽しむと言う考えでご依頼頂けると幸いです。

何卒宜しくお願いいたします。

オイルバケッタ風仕上げ:5000円+税~

納期:お預かりから2週間程

 

 

 

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