本間です。
先日お客様がお持ちになった靴です。
「前に他店で染替えした靴なんだけど、1ヶ月位で剥がれて来たんだけど・・・」
この手のご相談は月に数度頂きます。
画像を見て頂くと解かる様に確かに剥げて来てますね。
これは染替えでは無くて「塗り替え」と言った方が
正解です。「染め替え」と「塗り替え」何が違うのでしょうか？ そんな内容のお話です。
高いご料金を払って頼んだのに1ヶ月そこそこでこの状態になってしまったら・・・
だいぶ残念な気持ちになりますよね。。。
染替えしたのに・・・？ちょっと待った！これは「染め替え」では無いですね。
「塗り替え」と言った方が良いかもしれません。
塗り替えとは☆
所謂、革の上から「塗料」で塗って色を変えるような方法です。
BROSENT（ブロセント）では「塗料」は部分的に使用する場合も有りますが全体に使用する事は
まずは有りませんのでそんなに専門的な事は解りませんが、「アクリル塗料」の様な物を薄めて使用する事も
有るんじゃ無いかと。
つま先やカカト等の部分的なキズ補修等には使うのは有効ですが、全体に使う事はおススメしません。
何故なら割れる（ひび割れ）や剥がれが出るから。
結果、先程の画像の様に使用すればするほど表面の塗料がしなやかな革の動きに付いていけずに
割れたり剥がれたりしてきちゃうんですね。
と、話が長くなりましたがそんな残念な結果になってしまった塗り替えをした靴を何とか回復出来ないのか？
と言ったご依頼です。
仕上げ方によってはどうにもならない場合も有りますが、今回は過去の経験から「出来る！」と確信が有ったので
お受け致しました。
塗料を剥がしてる画像は中々「衝撃的」なのでお見せいたしませんが。。。
しっかりと余計な物は除去して、今度こそ正真正銘の「染め替え」で回復させましょう。
革を「塗料」ではなく「染料」で染めて色を変化させて仕上げます。
そしてお仕上がりです。「before」⇒「after」でご覧下さい。
パリパリした革の表面で割れた塗料が無くなり革らしい質感が戻りました。
手触りも全然違います。
塗料で塞がれてしまった「銀面（革の毛穴）」も回復しクリーム等もしっかり染み込む様に
してあげます。それだけで革の寿命は大幅に向上します。
しっかり回復させてあげる事が出来で良かったです。
これでまだまだ長く履く事が出来ますね。
革の「染め替え」はとても作業に時間が掛かります。
正直「技術」は勿論必要ですが「根気」が一番必要な気もします。
染まらなければ染まるまで何度も調整する必要が有ります。
やみくもにやればデリケートな革は傷んでしまいますので加減しながら行う事も必要です。
お預りから1ヶ月半～2ヶ月程お待たせ致しますし、仕上げや革の素材によっては出来ない場合も御座います。
全てにこの技法が通用する訳では有りませんので折角のご依頼をお断りする事も御座います。
皆様の大切なお靴をしっかりと仕上げる為に必要な事ですので何卒ご理解頂ければと思います。
現在も引き続き沢山のご依頼を頂いておりますのでお時間に若干の余裕を持ってご依頼頂けますと幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
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