本間です。
今回は少しまた攻撃的な内容のblogかもしれませんが・・・
SNSや雑誌等で見る靴はどれも光ってますね👞✨
ハイシャイン・鏡面磨き・グラサージュ・・・
つま先等に油性ワックスを使用してピカピカに
光らせる技術的な方法です。
皆さん上手に光らせてますね。
ただ、そんな皆様からこんな事を言われる事が有ります。
「BROSENTの靴って光りにくいですね」
果たして本当に光りにくいのか?・・・な?
簡単に書こうと思ったのですがついつい熱が入り「超大作」に(;^_^A
是非覚悟を決めてご覧下さいね☆
さて、ハイシャイン等はどんな方法で行うのか。
1、通常メンテナンスを行った後に「油性ワックス」を光らせたい部分に塗り込む
2、水を使いながらワックスを革の上に馴染ませながらコーティングしていく。
3、革の毛穴を潰す事で凄まじくワックスの光沢が生まれる
こんな感じに。
この技術??? が今、人気?? で、SNSや雑誌等の高級靴を見るとつま先、メーカーによっては靴全体が
ガラスの様に輝いてます。
ここまで光らせるには「技術」と「作業時間」が掛かる訳です。
「コツ」を掴む為には練習も必要かもしれませんね。
そこでブログの題名に戻るのですが・・・
「普段はハイシャインキレイに出来るんですけどBROSENTでオーダーした靴だけ光りにくいんですけど・・・」
なるほど・・・その他では「染め替え」をご依頼頂いたお客様から・・・
「染め替え前はハイシャイン普通に出来てたのに染め替え後、急に光らなくなった・・・」
う~ん。。。なるほど。。。
上記の様なお問い合わせが沢山では御座いませんが、たまに頂いたりします。
「ハイシャインがやりずらくなった」
「光りずらくなった」
「時間が掛かる」
上記の理由。。。実はなぜそうなったのか僕は解ります。
1番の理由は「コーティングが無くなったから」だと思います。
BROSENTのblogでも良く出てくる「コーティング」とは果たして?実際何なのか?
この実験をご覧下さい。
画像はBROSENTで使用している高級素材「フランス アノネイ社」のヌメ革です。
そこに片方にコーティング剤を塗ってみましょう。
色が濃くなっている場所が「コーティング剤」を塗った部分です。
段々乾いてきました。
そして完全に乾くと元の色に戻ります・・・が良く見て下さい。
コーティング剤を塗った場所、右半分に「ツヤ」有るの解りますか?
革の「毛穴を塞ぎ」コーティングされた状態の場所と何もしていない場所に
水を1滴垂らしてみましょう。
数秒後に水滴を拭き取ります。すると。
コーティングした方は水が染み込んでませんが・・・
していない方はしっかり水が染み込んでます。
当たり前の結果ですよね。
コーティングしてるんだから水が染み込む「毛穴」を塞いでる訳ですしね。
逆にコーティングしてない方は「毛穴剥き出し」ですから水は染み込んで当たり前です。
・・・ここ良く覚えておいて下さいね!!
ハイシャインをするにはどうすれば良いんでしたっけ?
「油性ワックスを水で馴染ませながら毛穴を潰す」ざっくりですがそう言う事ですよね。
最近は「上質な革」の価格高騰等が有り中々仕入れる事も困難になってきました。
20年程前はまだまだ革も豊富で高級靴メーカーは上質な革を厳選し使用してました。
ただここ数年から現在は、上質な革が中々手に入らなくなりどんなにお金を出しても
昔の様な「キメ細かい」革が使用できずに若干「毛穴が粗い、キメが粗い」革を
使用せざるを得ない状況になっています。
そこで、最近は国内、海外問わず超が付く程の「高級靴メーカー」で使用されている革も
毛穴の粗さを誤魔化す為に少なからずコーティングしている事が殆どです。
しかも、完全に毛穴を潰さずに薄くコーティング剤が掛かってたりする靴が多いんです。
ただ、革質を誤魔化すだけでは無く「コーティング」する事によって「キズ防止」や
「保管状況による変色」「色止め」等にも効果が有りますので必要と言えば必要なのかもしれません。
と言う事はここ数年の殆どの靴は少なからずコーティングされているので。。。
毛穴が潰れて水が染み込みずらい状態になってますよね。。。
コーティングされてれば。。。コーティングの上にハイシャインすれば良いんだから。。。
ハイシャイン。。。ちょっと練習してコツを掴めば誰でも出来ちゃうと思います。
色やツヤのグラデーションを出すには技術は必要ですが、単純に光らすだけなら技術は正直そんなに必要ない
んじゃないでしょうか。
そんなハイシャインが普段できているのにBROSENTのオーダーシューズや染替えをご依頼頂いた
お客様からたまにご相談いただく案件。
今まで通りにハイシャインしたらこうなったんですけど。。。
私の説明も不足してましたが、確かに今まで通りにハイシャインしたらこうなる可能性有ります。
その原因で1番大きいのがこの画像です。
油性ワックスを馴染ませる為の「水」の量です。
水が多すぎて革に染み込んでしまいその部分にワックスが乗らないと言う事に繋がります。
あとは摩擦、擦る力です。力が入り過ぎてしまうとワックスが乗らずに剥がれてしまいます。
それは「コーティング剤」を使用していないからです。
BROSENTのオーダーシューズ、染め替えの仕上げにはコーティング剤は使用しません。
色抜け、キズなどのリスクは有ると思いますが、コーティングしない理由は以下で御座います。
1、折角、上質な革を選び使用しているのにコーティングしてはその意味が無くなる。
コーティングするならわざわざ「アノネイ社」の等級上位の革や「国産の上質レザー」
を使用する必要が無い。
※BROSENTのオーダーメイドシューズに関しての理由です
2、上質な革は普段履いてメンテナンスをして・・・を繰り返し行う事で柔らかさや上品な光沢感
質感等、エイジングされ良くなっていきます。クリームを染み込ませる為の「毛穴」を塞がれて
しまうと折角のメンテナンスも効果半減、本来のエイジングは楽しめません。
3、プラスチックの様な無機質な光沢では無く革本来の素材感を楽しんでほしい
その他にも色々御座いますが、上記が大きな理由で御座います。
革本来の良さを感じられた時代の靴は現在のBROSENTのオーダーシューズや染替え後の様に
コーティング剤はほぼ使用されていませんでした。
使用されてたとしても現在の「アクリル樹脂」等のコーティングでは無かった様に感じます。
その為「ハイシャイン」をする時はそれこそ技術が必要でした。
「水」「油性ワックス」「圧力・摩擦」をバランス良くやらないと先程の画像の様に
水分が革に染み込みその部分だけツヤが出ない等・・・
何度も何度も失敗しながら身に付けた覚えが有ります。
ハイシャインは難しい技術です。
コーティング剤が使用されていれば初めから毛穴がある程度潰れてるんで簡単に光ります。
だからもしかすると、今までコーティング剤が使用されている靴の感覚で
同じ様に作業を行う事で「光らない」「失敗した」等が起こるのかなと思います。
BROSENTでは「上質な本革」を使用した靴をしっかり知って貰いたい為、
この様な仕上げに拘りご案内しております。
少々面倒な考え方だと思いますが是非ご理解頂ければ嬉しいです。
そして、革本来の毛穴の生きた革のBROSENTのオリジナルオーダーシューズも
水分、ワックス量、力加減をバランス良く行えば美しい艶は勿論出ます。
20数年前、大手メンテナンスメーカーさんが日本に来た時にこの「ハイシャイン」を
初めて教えて貰いました。
中々上手く出来ない僕にこんなアドバイスをしてくれた事を今でもハッキリ覚えてます。
「靴と女性はスゴク似ているんだよ。力任じゃダメだよ。ちゃんと相手を見ながらどうすれば喜んでくれるのか?
を考えながら丁寧に繊細に時には大胆に。靴も同じように扱ってあげればきっと上手に出来るようになるよ。」
と。。。通訳さんを通してですが。。。その時は「このエロオヤジ!!」と笑いましたが。。。
何か今は解るような気がする(笑)
BROSENTの靴やBROSENTで染め替えを行った靴は「女性と接する様に」扱ってあげれば
きっと美しい姿を見せてくれますよ☆
最後はちょっと下ネタっぽくなりましたが(;^_^A
是非、ハイシャインを「技術」で成功させてみて下さいね♪