コラム『わが子が染め替えに来ました』

 

こんにちは、BROSENTの清水です。

先日うちのお店に染め替え希望である靴がやって来ました。

その靴は何と懐かしいわが子だったのです!!

さてその正体とは!?

 

その靴は染め替え希望でやって来ました。

じゃん!!

 

 

対応したは職人の本間君。

横目でちらりと見た私。。。『お~!』。。。そして。。。( ̄ー ̄)ニヤリ

ブランドは皆さんご存知の英国のCrockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)。

モデルはCRAWLEYと言って2アイレットの外羽根プレーンです。

でもって木型は#360と言う木型を使用しています。

『ん?#360?』と思った方はちょっとだけ靴に詳しい方。

同社では#337や#348、最近では#363あたりが有名です。

#360を知っている方は結構マニアックな方だと思います。

 

 

やや長めのラウンドトゥが特徴のこの木型。

実は私が前職時代に手掛けたラストなんです!!

一般的に雑誌などに書かれている『別注木型』

実はその多くはメーカーが開発したものを『これうちだけの独占販売にして』なんて言うのがほとんどで、『この木型でトゥ丸くして』だったらかなり良い方です。

ですが基本設計からメーカーからお願いしちゃったのがこの木型です。

メーカーのスタッフに分かりやすく『踵はD、ウェストはC、ボール(一番広い所)はEで作ってちょうだい!』とお願いしました。

社長のジョナサン超苦笑いでした(;^_^A

ただやったことが無いらしく、調整はかなりおっかなびっくりで、『もっと小さく!!』をかなりの回数繰り返しました。

1年半~2年くらいかかったでしょうか?

ようやく出来たのがこのラスト、#360でした。

だから他のC&Jの木型とは履き心地が違います。

かかとが小さく日本人向きなんです。

最近はこれに影響を受けてだいぶ踵の小さい木型が増えているようですが。

スタッフから『差別化でソールやライニングを緑(店舗のイメージカラー)にしたい』と言う意見があったのでそうしましが、私個人はそんなことどうでも良くて、とにかく履き心地の良い木型を作りたかったんです。

当初は私が働いていた店だけでの展開でしたが、その後革靴文化のレベルの高いフランス・パリにあるC&Jの直営店などでも販売され人気となりました。

 

そんな苦労をして作ったわが子が里帰りのようにうちのお店にやってきてくれたのです。

 


 

水染みでしょうか?

全体的に汚れてしまっています。

ライトブラウンは日常使いするとどうしてもある程度汚れてしまうので致し方ないです。

ですがそこはわが子!

『本間先生何とかして下さい!!(T_T)』

と言う事で先生頑張ってくれました!!

 

じゃじゃん!!

 

 

見事にダークブラウンとなって復活です!!

流石本間先生です!!

また元気になったのでご主人様の足元でしっかり活躍してもらいたいと思います!!

頑張れ~!! \(T_T)/

 

 

と、昔からそうやってメーカーに我儘を言ってきた私です。

2018年現在かつてないほど我儘を言って作ったのが今のBROSENTの木型です。

是非その履き心地を体感しにいらっしゃって下さい!!

 

因みにC&Jではその後商談しにショールームへ行くと『トム(←私の事)が来たからサンプル隠せ!』と冗談を言われるようになりました(;^_^A

ですが、『こんなサンプル(木型)の試作作ったんだけどどう思う?』と言う相談も受けるようにもなりました(^_^)v

とさ。。。

 

 

 

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