こんにちは、BROSENTの清水です。
BROSENTの職人本間君の『お客様から「BROSENTって何屋さんですか?」と聞かれる。ついては「オーダー屋で御座います!」ってブログを書いて欲しい』と言う依頼の元始まった企画『Remember past order 』。
長年靴屋をやっていますが、メンテナンスの先生級の知識と技術を持った靴屋って実はそうそうありません。
なので≪メンテナンス屋≫でも≪染替え屋≫でも間違ってはいないんですが、やはり『靴好きの靴屋と、靴好きのメンテナンス屋が考え出した靴を是非履いてもらいたい!我々はオーダー屋です!』と言う事を知って頂きたい!と言う訳で、毎回過去にお客様がオーダーした靴を私なりに解説していこうと思います。
お買い物の参考にして頂ければ幸いです。
では参りましょう!
本日ご紹介する靴はこちらです。
今日はこの靴で『革靴のフォーマル度』と『ちょっと例外な靴』のお話をしたいと思います。
ご本人様の結婚式用にとオーダーを頂いた靴です。
パテント=エナメルを使ったキャップトゥ・オックスフォードです。
オペラパンプスと並び革靴の中で最もフォーマル度の高い靴の一つです。
ところで皆さん革靴を履く際そのフォーマル度を意識されたことがありますか?
これらパテントの靴は基本的には夕方以降、夜の最礼装に合わせるための靴です。
ですので日中のイベント、例え天皇陛下に呼ばれても履くものではありません。
日中の最礼装はブラックカーフのキャップトゥです。
たまにノータイで黒のキャップトゥを履いている方を見ることがありますが、これはおかしな合わせと言えます。
ノータイならユーチップなど少し砕けたデザインの方が良いでしょう。
黒のキャップはやはりダークスーツでのタイドアップスタイルにはまります。
逆にユーチップなどはそのようなスタイルには合いません。
と、一応セオリー的な物は存在しているので、知っておくと良いと思います。
過去のブログで細かくご紹介しているので是非ご覧になってみて下さい。 ※下記参照
さて話を戻してこちらの靴、ちょっと変わってるの分かりますか?
上の写真では分かりづらいかもしれないので横から見た写真をご覧ください。
まだお分かりませんか?
ではアップにしてみましょう。
分かりましたね?
地面への接着面と土踏まず周辺の厚みが異なるのです。
ハーフミッドソールと呼ばれる仕様です。
お客様のご要望はこうでした。
『式、及び夜のパーティで履きたいんだけど、嫁さんの背が高いので厚底にして欲しい』
そこで通常2.5cmのヒールを2cm高く積んで4.5cmにしました。
ですがそうするとつま先が2cm上がってしまうのでバランスが悪くなってしまいます。
そこで考えました!!
ソール全体に厚みを付けて、前後のバランスを整える。
更にソール全体を厚くするとソールが曲がりづらくなるので、ウェスト部は少し薄く仕上げました。
通常のハーフミッドソールは。。。
前半分がダブルソールで、後半部がシングルになっています。
それが今回は前半分をフォース(4段積み!!)、後半部をダブルになっています!!
ダブルハーフミッドとでも呼べば良いでしょうか!?
お客様には大変ご満足頂いたものの、メーカーのジィ様には『めんどくせぇもん寄こすんじゃねぇ!!』とえらい怒られましたが。。。(;^_^A
ま、とにかくご相談して頂ければ出来る範囲は何とか致しますので、是非お困りのことがありましたらご相談ください(^^)v
本日ご紹介した靴は『作例1』⇒『Ex.31』でご覧いただけます。
BROSENTの靴の特徴に関しては『BROSENTの靴』でご覧いただけます。
オーダー方法に関しては『How to Order~オーダーの方法』でご覧いただけます。
革靴のフォーマル度に関しては過去のブログ『革靴のフォーマル度について~で、実際のとこはどうなのよっ!?』でご覧いただけます。
BROSENTでは「染め替え」「修理」を郵送でご対応致します。
詳しくは『修理&染替えの郵送でのご依頼』をご覧ください。