本間です。
今回は随分前にご依頼頂いたお靴の染め替えの
blogなんですが、いつもの様なbefore⇒afterの
ご紹介では御座いません。
・・・ちょっとビックリする様な事が有った為、
いつか書こうかなと思ってた内容です。
少々、ショッキングな内容の為書くのを迷ったんですが
・・・
書きます!
今年の春頃だったと思います。
ご来店頂き「染め替え」のご依頼をお受け致しました。
見た目や革の質感、色等々・・・
色々と確認した所、「全く問題無い」と判断いたしました。
この際、「ガラスレザー」「アドバン」「エナメル」「ホワイトレザー」「メタリックレザー」と
所謂「顔料仕上げ」「コーティングレザー」「樹脂加工」等、革の表面を塗料で覆ってるレザーは
毛穴が塞がっているので染料が染み込みません。
その為、染料のみで行うBROSENTの「染め替え」は作業上難しくお受けできません。
しかしその時にお受けした靴は上記の物では無く染め替えが行える革だと判断致しました。
再度、作業前の革の画像をご覧下さい。
この「ライトブラウン」のカラーを「ネイビー」に染め替えをしたいとのご依頼でした。
この位、薄いブラウンなら基本的にご希望の色への染め替えは可能です。
「ネイビー」でも「グリーン」でも「ボルドー」でも。
革も「カーフ」や「キップ」と言った表示の有る物を使用していたので
素材的にも問題は御座いません。
ブランドも有名ブランドだったので尚更安心してお受けしました。
そして、いざ作業を開始。
まずは色を脱色する為の作業を行いました。
すると、事は起きました💦
ズルっと色が取れました(´゚д゚`)
この時、「え!?」「ナニコレ!???」と手が止まりました・・・
これ画像だと解りずらいと思うんですけど、薄いブラウンの下地に「ベージュ系」の塗料が
塗って有るんです・・・
ビックリです・・・。
なんでこんな事するの?・・・いや💦しちゃってるの???
これじゃ普段のメンテナンスをしてもクリームが革に染み込まないから乾燥しちゃうし
せっかくの「カーフ」「キップ」の革の意味無いし・・・
恐らく、ここ近年「上質な革」の価格が高騰していて販売価格と革のコストが合わなくなって
るのは革を扱う全てのメーカーの悩みの1つだと思います。
革の質感が粗いのを誤魔化す為にこの様な処理をしているのでは無いかと思います。。。
仕方が無いと言われればそうなのかもしれませんが・・・
やっぱり酷いです。
その後、この顔料を剥がす作業を行いましたがその作業だけで3,4日は掛かりました。
時間よりも革への負担が問題です。
画像の「ボロボロ」としたのが塗料が剥がれた物です。
最終的には何とかご希望の色に仕上げる事が出来ましたが、通常の染め替えの3倍以上の
時間が掛かりました。
「アセトン」や「シンナー」も沢山使う事になりました。
勿論、世界中に有る数多くの靴メーカーの中のほんの1足なので
この様な仕上げにあたる事は本当にごく稀な事だと思います。。。思いたいです!
今後この様な仕上げの靴が無くなる事を祈ります。。。
そして祈りましょう!