本間です。
遂に今年も目にする季節が。。。花粉症の薬のCM・・・(;´Д`)
いい加減、この「花粉」とやらはどうにか出来ないものなのか・・・
さて!今回は少し変化球ながらご依頼が急上昇☝☝☝の
【オイルバケッタ風加工】
のご案内です☆
オイルバケッタって???
本来は『成牛の牛革(カウハイド等)」の革を「ベジタブルタンニン」で鞣した革』
と言う事なんですが、BROSENTで行うのはあくまでも「バケッタ風」です。
スエード等の起毛皮革をオイルやワックスで潰し寝かせる加工です☆
画像の様な右側のイメージになります。
なんとも言えない独特な素材感ですね。
元々、水に強い「スエード」に油とワックスを加える事で非常に耐水性にも
優れているので雨の日にも活躍する加工です☆
今回ご依頼頂いた靴はコチラです。
かなり履き込まれたスエードの「デザートブーツ」です。
元々はブラックカラーのスエードですがだいぶ染色が抜けてます。
「オイルバケッタ風仕上げ」にするには絶妙なタイミングです。
ここまで、履き込まれたスエードは通常のメンテナンスではある程度はキレイにする事は出来ますが
やはり、限界が御座います。
【オイルバケッタ風加工】は荒れてしまった起毛を潰して仕上げるので毛並みが荒れてしまっていても
全く問題御座いません☆
それでは今回は【オイルバケッタ風加工】にしていくための下準備までをご紹介致します。
まずは、抜けてしまった「ブラック」の色素を足すために下地のの色を
「黒の染料」で染めて整えます。
オイルバケッタ加工を扱う店舗は他にも有るかと思いますが
もしかすると、この下地を整える作業は行わない場合も有るかもしれません。 黒の乳化性クリームで代用する例も有ります。
ただ、しっかり下地を染料で染めた方が後々の色抜け、色褪せも防ぐ事が出来ますのでBROSENTでは1度下地を染める作業を行います。
画像左が、下地を黒で染めた靴です。
左右で比べるとだいぶ色の濃さが違うのがお解りかと思います。
この作業をするかしないかで仕上がり感がだいぶ違ってきます。
このまま乾かしてブラッシングで毛を起こしてあげれば、今までの
「スエード靴」としてもだいぶ回復します。
市販されているスエード用の補色剤は誰もが失敗しない為にかなり薄く作られてるのでここまで色は戻らないと思います。
さあ、これで準備は整いました。
ここからいよいよ「毛を潰し込む」加工に入っていきます。
まずは「オイル」で毛を潰し込みます。
使用するオイルはBROSENTでは「ミンクオイル」を使用します。
ただ、固形のミンクオイルは油分が強すぎて「ベタツキ」が強くでるので
「ミンクオイル リキッド」を使用すると馴染みも早く「ベタツキ」も極力抑えられます。
私は「M.モゥブレィ」のブランドを使用しています。
塗り方のポイントは少量ずつ指先に取り押し潰すように塗る事です。
沢山塗れば良いと言う訳では御座いません。
全体的に「オイル」を馴染ませたら手の平全体で、毛並みに沿って
撫でる様に整えていきます。
この時にオイル分が足りない箇所は毛が潰れず残ります。
その箇所にはまた少量のオイルを塗り込み押し潰しましょう。
手の平でなぞることで「体温」がオイルを溶かしムラ無く全体に
馴染む効果も御座います。
1度や2度では無く、少々しつこく撫でてあげましょう。
沢山撫でてあげれば仕上がりもより良くなりますよ♪
大体、画像(左側)の様なイメージになればOKです。
この状態になるまで上記でご案内した作業を行い
ゆっくりオイルを馴染ませてあげて下さい
そして、1日ゆっくりと時間を掛けて革を落ち着かせて
下さい。
すると、ベタツキも落ち着き「シットリ」した風合いになります。
今回はここまでです。
次回は【オイルバケッタ風加工】の後半、仕上げの作業をご案内致します。
やろうと思えば1~2時間程で仕上げられるのですが、ゆっくり時間を掛けてオイルを馴染ませてあげる事で
風合いや手触りも良くなります。
時間を掛けてゆっくり作業しましょう♪
何事も焦っては良い結果になりませんよ☆
それでは、後半をお楽しみに♪
バケッタ風加工 5000円+税~
期間 約1~2週間のお預かり
BROSENTでは「革靴の染め替え」「メンテナンス(バケッタ風加工含む)」「修理靴」を郵送でも受け付けております。
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