こんにちは。。。BROSENTの清水です。。。
靴を褒める言葉に『歩きやすい』と言う言葉がありますね?
『歩きやすい』にはクッション性の高いソールが付いていたりしてすぐに分かるものと、構造的な歩きやすさでちょっと歩いただけでは分かりにくいものの2つに分かれると思います。
こちらのコラムはマニアック路線で突き進んでいくので、今回のお話はもちろん後者の方のお話です。
靴の歩きやすさの条件の一つにこのトゥスプリングがあります。
このトゥスプリングが高ければ歩きやすくなり、低いと歩きにくくなります。
上の写真で言うなら、左のBROSENTの靴より、右のTricker'sの靴の方が特に長距離の歩行には向いていると言えます。
登山靴のつま先が上がっているのはそういった理由があるからです。
何故つま先が上がっている方が『歩きやすい』のか?
図で説明しましょう。
左の円は地面と設置している辺りに浮きが在ります。(青い矢印)
ですからスムーズに、前に転がり続けることが出来ます。
一方右の四角は設置している面に浮きが在りません。
その為前方へ転がることが出来ません。
これが歩きやすさを生むのです。
ただし見た目は高ければカジュアルっぽく見え、低ければドレッシーに見えます。
ですからあまり歩くシチュエーションが無いVIPが履くような靴にはこのトゥスプリングは必要ありません。
歩きやすさを残しつつ、見た目のドレッシーさをキープしたいのなら1cm程度のトゥスプリングがお勧めです。
もう一つの『歩きやすさ』を生む要因は重さです。
店頭で靴を持って『重いな~』と仰る方がいらっしゃいますが、この重さが『歩きやすさ』を生み出します。
『スポーツシューズは軽いじゃないか!』と言われそうですが、アスリートが筋肉を鍛え、フルスロットルで運動するのと私たちが日常の生活で歩くのとでは訳が違います。
歩くことに特化した靴、例えばトレッキングブーツなどは一般的にビジネスシューズが300~500gなのに対し、1kg以上になることもあります。
では何故重い方が『歩きやすい』のか?
答えは振子の原理です。
上の図を見て下さい。
人間は歩行の際後方の足を前方に向けて動かします。
その際軽量の靴だと筋肉をフル稼働させて足を前方に送り出さなくてはなりません。
一方重い靴は筋肉をフル稼働させなくても靴の重さが振子となり自動的に足が前に送り出されます。
と言う訳で、靴はある程度の重さがある方が『歩きやすさ』は増すのです。
靴は全身の中でも数少ない『道具』としての一面も持った装身具です。
道具として見るならば適度な重さとトゥスプリングが必要ですが、装う物として見た場合は軽く、トゥスプリング無い方が好ましいです。
要は履き用途に合わせて靴は選んだ方が良いですよ!と言うことです。
靴の購入時に是非参考になさって下さい。
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