こんにちは。。。BROSENTの清水です。。。
靴のフィッティングの確認にはいくつかのポイントがありますが、その一つに甲、羽根の開き具合があります。
では、どのような状況が良いのでしょうか?
羽根の開き具合は製法や部材によって変わってきます。
セメンテッド製法やマッケイ製法の場合、履き込んでも中の容積はそれほど変化しません。
したがって基本的には最初の状態がキープ、広がってもごくわずかと思っていて大丈夫です。
問題はグッドイヤー製法です。
グッドイヤー製法の靴は中がこんな感じになっています。
ソール部分に注目してください。
グッドイヤー製法のソールは上からインソール、中物、アウトソールの3層構造になっています。
この中の中物と言われる部分が潰れることによって、容積に変化が生じてきます。
しかも中物に使われている部材によってその変化が異なってきます。
中物に使われる主な部材はコルク、スポンジ、フェルトの3種類です。
最も一般的に使われているコルクは、フットベットと言って履き込む内に体重で足の形に凹んできます。
これが『グッドイヤー製法は馴染むとその人の足の形になってくるので履き心地が良くなる』と言う理由の一つにもなっています。
凹んでくるので当然容積は広くなってきます。
次に多いのがスポンジの中物です。
グッドイヤー製法の特徴であるフットベットはあまり付きませんが、代わりにコルクよりクッション性は高くなります。
履いている内に全体的に多少潰れてくるので、容積も少し広くなってきます。
最後にフェルトですが、既製品のグッドイヤー製法に使われることはごく稀で、ビスポーク(木型から作るオーダー)のハンドソーンウェルテッド製法(グッドイヤー製法のオリジナルで手作業で行われる製法)の靴で時々用いられることがあります。
ビスポークの場合木型は最初から履く人の足の形になっているので、グッドイヤー製法のように後からその人の足の形になっていく必要がありません。
その為凹むことがなく、クッション性、軽量性だけを考慮したフェルトを使用するのです。
では履き始めの状態ではどのような感じが良いのか実際に見ていきましょう。
まずは内羽根式から。
グッドイヤー製法(中物がコルク)の場合一般的に内羽根式は概ね1cm程度開いた状態が良いと言われています。
アメリカ靴なんかはもう少し開きが大きくなったりします。
履いていく内にこの開きが徐々に狭くなっていくので、最初はこの程度開けておかないと、馴染んだ時に羽根が重なってしまう恐れがあるからです。
見た目は閉じていた方が美しいのですが、履き心地の方が重要です。我慢しましょう(笑)
中物がスポンジの場合はもう少し閉じても大丈夫、更にセメンテッド製法、マッケイ製法、中物にフェルトを使ったグッドイヤー製法の場合は更に閉じていても大丈夫です。
でも最初からくっ付いているのは後が怖いので避けましょう。
続いては外羽根式ですが、こちらも基本的には内羽根式と同様です。
少し開きのある状態になるサイズ、木型を選んでください。
もし最悪履き込んで羽根が閉じてしまった場合はインソールなどで加工することも可能です。
お手元のお靴で羽根が閉じきっていてもなお緩い、と言うお靴がありましたら、是非店舗までお持ちください。
出来る限り見た目が変わらないように加工いたします。
詳しくは以前のブログをご覧ください。⇒『こちら』
なんにせよ靴はジャストサイズが一番です。
詳しく、経験のある信頼できるスタッフの店で買うことをお勧めします。
それがBROSENTだったら幸いです。
ではでは。。。
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