コラム『レザーソールの紹介~雨にも負けず、風は関係ない』

こんにちは。。。BROSENTの清水です。。。

 

今回はレザーシューズの王道レザーソール=革底についてです。
私たちBROSENTでオーダーできる部材、修理で扱っている部材をベースに革底の魅力についてご紹介したいと思います。

革底と言っても市場にはピンからキリまで様々なものが出回っています。
中には南方(ナンポウ)と呼ばれる革の屑を圧縮してボード状にしたものを革底と言って売っているケースもあります。
また水牛の革底など価格は安いですが、品質に“?”が付くものも普通に出回っています。
はっきり言いましょう。『安物です』。

その上にランクするのがメキシコやアルゼンチンと言った中南米の物でしょうか。
少し硬目の物が多いですが、ウェルト靴にも使えるクウォリティです。
靴の値段でいうと2~3万円台辺りでしょうか。
逆にこの価格帯で、これ以下の底材だったらちょっとコスパ低めと言えるでしょう。

この上のランクにになるとやや高級な部類に入ってきます。
主な生産地はイタリアやベルギーなどです。
一般的には4~6万クラスの靴に用いられることが多いですが、それ以上の高価格帯でも用いられることがあります。
まぁこのクラスの底材を使っていればまず間違いはないです。
BROSENTでは標準仕様の下にあたるスペックや、スタンダードなオールソール修理で使用しています。

イタリアン・ソフト


オーダー価格 標準仕様から▲2,300円(税抜き)


ソフトと名前が付いていますが標準的な硬さです。履き込む内に柔らかくなるグッドイヤー製法の醍醐味を感じることが出来るソールです。

イタリアン・スーパーソフト


オーダー価格 標準仕様から▲1,500円(税抜き)


驚異の柔軟性を持った革底です。履き始めが硬いというグッドイヤー製法の弱点を見事に克服、まるでハンドソーン製法のような履き心地を実現しています。従来品のイタリアン・ソフトと比べて格段に柔軟性が高まっており、ローファーなどに抑えが効きにくいデザインに特におすすめです。


イタリアン・ベンズ


修理価格 16,000円(税抜き)~


ソフトと名前が付いていますが標準的な硬さです。履き込む内に柔らかくなるグッドイヤー製法の醍醐味を感じることが出来るソールです。

更に上のランクになるとオークバークと言ってオーク(樫)で鞣した高級部材が登場します。
ドイツのレンデンバッハや、イギリスのバーカーなどがこれに該当します。
1年以上という長い工程を経て生産された皮革は、繊維が締まり、摩耗性が高く丈夫な仕上がりとなっています。
また高い耐水性と吸湿性を誇り実用的にも非常に優れています。
ただし丈夫と言うだけあってやや硬さがあり、履き始めは硬いです。
履き込む内に柔らかくなって来る、グッドイヤー製法に最も適した底材と言えます。

レンデンバッハ/オークバーク


オーダー価格 標準仕様で付いています
修理価格 19,000円(税抜き)~

それでも『革底は滑るからな~』と言う貴方。
対策を2つほどご紹介します。

まずはトップリフト(ヒール部の接地面のパーツ)を全部ゴムに変える方法です。
人それぞれ歩き方が微妙に異なるので一概には言えませんが、踵に体重をかけて歩く方には効果的です。
レザーとラバーのコンビのリフトの場合化粧釘と呼ばれる釘が打ってあることがあり、これが滑る要因となるのです。
このパーツを全ゴムパーツにすることで、かなり改善できます。

更にこんなレザーソールもございます。
滑り止めラバーの付いたその名も『ラバー・ポイント・ソール』です!
見た目は革底にスタッズが付いたような形状になっています。
ポイントを1つずつ接着しているのではなく、板状のゴムパーツを裏からはめ込んでいるので、取れる心配もありません。
滑らない革底としては最強の部材だと思います!

ラバー・ポイント・ソール


修理価格 18,000円(税抜き)~

革底と言っても色々とあることがお分かりいただけましたか?
安いからと言って手を出すと痛い目を見るかもしれませんよ(笑)
分からない時は店員さんに聞いてみてくださいね!

あ、そうそう。
革底=雨ダメ、と思っていらっしゃる貴方、大きな勘違いです。
革自体元々水分を含んでいますし、濡れること自体で革がダメになることは決してありません。
これは同じ革製のアッパーにも言えるのですが、濡れた後水分が蒸発する際一緒に油分も飛んでしまい、乾燥が酷くなってしまいます。
女性がお風呂上りに念入りにお肌のお手入れをするのは同じ理由です。
濡れた後はきちんとアフターケアをしてあげてくださいね。

詳しくは『こちら』をどうぞ。

 

ではでは。。。